取材で北海道の網走監獄博物館へ行ってきた。
ひとりで。
広大な敷地の中に当時の建物を移築復元させた野外博物館。
ネットで下調べをしていて、画像をいくつも見ていたとき、どうも違和感があった。
ひとりで。
広大な敷地の中に当時の建物を移築復元させた野外博物館。
ネットで下調べをしていて、画像をいくつも見ていたとき、どうも違和感があった。
ネットにあるたくさんの画像には、すべて正門に扉が無い。
監獄の厳重な門なのだから、きっと当時は木製の重厚な扉があったはずだと。
扉までは復元されてないのだろうかと思っていた。
ゴールデンカムイの一話に正門を描くつもりだったが
扉が開いてるような門だと厳重に見えない。
札幌から旭川を経由して、汽車で7、8時間くらい。(電車のことを汽車というのが真の道産子)
せめて昼間なら車窓から見える景色を楽しめたのに、旭川から先は真っ暗闇だった。明かりひとつ無い。
23時網走に到着。ホテルは予約して無い。適当な安宿に飛び込む。
ベッドに倒れこむと、あまりの硬さに驚く。床に倒れたかと思った。
いやいや贅沢だ。ハングリーさを失ってはいけない。
漫画家を志し上京してきたときは南千住の2000円の宿に何週間か泊まっていた。
当時の南千住はまだまだドヤ街の雰囲気が残っていてホームレスが三人、
普通の公道で敷布団と掛け布団を、きっちり三つ縦に並べて寝ていたのを見てカルチャーショックを受けたものだ。
周囲とのギャップがものすごく、「元気が出るテレビ」の寝起きドッキリか何かにみえた。
いまどきコンビニを出たら地べたに座ってるホームレスに空き缶を鳴らされ小銭を催促されることがあるだろうか?
どこのニューヨークかと思った。それが当時の南千住だった。
「北海道へは帰らない。漫画家になれなければ俺はあそこで四つ目の布団を並べて寝るのだ」と、そのとき決心した。
話がそれた。
そんなこんなで翌朝、ようやく網走監獄へ。
門の中へ入ってから裏を見ると、
やっぱりあった。扉が。
監獄の厳重な門なのだから、きっと当時は木製の重厚な扉があったはずだと。
扉までは復元されてないのだろうかと思っていた。
ゴールデンカムイの一話に正門を描くつもりだったが
扉が開いてるような門だと厳重に見えない。
札幌から旭川を経由して、汽車で7、8時間くらい。(電車のことを汽車というのが真の道産子)
せめて昼間なら車窓から見える景色を楽しめたのに、旭川から先は真っ暗闇だった。明かりひとつ無い。
23時網走に到着。ホテルは予約して無い。適当な安宿に飛び込む。
ベッドに倒れこむと、あまりの硬さに驚く。床に倒れたかと思った。
いやいや贅沢だ。ハングリーさを失ってはいけない。
漫画家を志し上京してきたときは南千住の2000円の宿に何週間か泊まっていた。
当時の南千住はまだまだドヤ街の雰囲気が残っていてホームレスが三人、
普通の公道で敷布団と掛け布団を、きっちり三つ縦に並べて寝ていたのを見てカルチャーショックを受けたものだ。
周囲とのギャップがものすごく、「元気が出るテレビ」の寝起きドッキリか何かにみえた。
いまどきコンビニを出たら地べたに座ってるホームレスに空き缶を鳴らされ小銭を催促されることがあるだろうか?
どこのニューヨークかと思った。それが当時の南千住だった。
「北海道へは帰らない。漫画家になれなければ俺はあそこで四つ目の布団を並べて寝るのだ」と、そのとき決心した。
話がそれた。
そんなこんなで翌朝、ようやく網走監獄へ。
門の中へ入ってから裏を見ると、
やっぱりあった。扉が。
「ほれ見てみろ!こういうことだ!」と叫んだ。
何を興奮してるんだと思われるかもしれないが作品づくりにディティールは大事だ。
現地へいって、実物を見てくることの大切さ。
前作「スピナマラダ!」だってそうだった。、書籍やDVDなどで試合の写真や映像の資料はいくらでも手に入るが
大会のスタッフや、その機材、観客や報道陣、選手や監督の掛け声、休憩時間の様子などの資料はどこにも無い。
現地でしか得られないもの、気付けないものはたくさんある。
作者自ら足を運んで体験したことが作品の世界観に説得力を与える。
何を興奮してるんだと思われるかもしれないが作品づくりにディティールは大事だ。
現地へいって、実物を見てくることの大切さ。
前作「スピナマラダ!」だってそうだった。、書籍やDVDなどで試合の写真や映像の資料はいくらでも手に入るが
大会のスタッフや、その機材、観客や報道陣、選手や監督の掛け声、休憩時間の様子などの資料はどこにも無い。
現地でしか得られないもの、気付けないものはたくさんある。
作者自ら足を運んで体験したことが作品の世界観に説得力を与える。
話はかわるが、
自分が小学生の頃、隣の家のオッサンが観光で「網走監獄に行って泣いた」という話を聞き、笑い転げた。
当然オッサンは博物館の展示物を観て、当時の囚人たちの過酷な日々に思いをはせて涙を流したわけだが、
アホな小学生なので「網走監獄に行って泣いた」というフレーズがツボに入った。
「ディズニーランドへ行ってパレードに感動して泣いたならわかるが、何で『網走監獄』で、しかも『囚人』を想って泣いてんだよ」って感じだったと思う。
その日から話題で隣のオッサンが出てくると「ああ、網走監獄に行って泣いたオッサンね」と言っては笑い転げていた。
そして2014年。自分は網走監獄で泣いたオッサンになった。
脱獄囚Tシャツをお土産に買った。左胸の網走監獄のロゴがかっこいい。仕事中に着ている。近所のスーパーにもこれで行く。
網走監獄博物館へは事前の連絡無しに、まったくの観光客として入った。職員の方たちに取材で来た事など、一切告げず東京へ帰ってきた。
後に知ったことだが、なんとここの館長さんは前作スピナマラダを好きで読んでくださっていたらしい。
嬉しかった。
道東へ観光に行かれたときは是非寄ってみて欲しい。知床や摩周湖などとセットで行くと北海道を満喫できる。
大自然の写真をたくさん撮ったが、家に帰って見返しても現地へ行って感じた壮大さは半分も伝わってこない。
網走監獄博物館へは事前の連絡無しに、まったくの観光客として入った。職員の方たちに取材で来た事など、一切告げず東京へ帰ってきた。
後に知ったことだが、なんとここの館長さんは前作スピナマラダを好きで読んでくださっていたらしい。
嬉しかった。
道東へ観光に行かれたときは是非寄ってみて欲しい。知床や摩周湖などとセットで行くと北海道を満喫できる。
大自然の写真をたくさん撮ったが、家に帰って見返しても現地へ行って感じた壮大さは半分も伝わってこない。