後半 やや刺激の強い画像が含まれますので、
ご注意ください。
ご注意ください。
正月、狩猟にいってきた。
ちょこちょこと時間を見つけてブログを書いてて、もう3月。ちょっと長編になってしまった。
ところでまあ、これは普通に読めば分かる話なんだが、物語の中で「いま何月なのか」はどこにも書いてない。
具体的な暦(こよみ)を書いたことは一度もない。
もちろん意図があってのことです。
しかしヒントはある。アシリパさんは登場時「堅雪用のカンジキ」を持ってる。
ちょこちょこと時間を見つけてブログを書いてて、もう3月。ちょっと長編になってしまった。
ところでまあ、これは普通に読めば分かる話なんだが、物語の中で「いま何月なのか」はどこにも書いてない。
具体的な暦(こよみ)を書いたことは一度もない。
もちろん意図があってのことです。
しかしヒントはある。アシリパさんは登場時「堅雪用のカンジキ」を持ってる。
軟らかく深い雪用のカンジキはアイヌの民具で別にある。ひだりのですね。
やや気温が上がり堅雪になるのは2月後半くらい。
なので第一巻ではそのあたりといったところか。
凍裂現象も2月なら起こる。
北海道民に2月4日は暦の上では春ですと言ったら鼻で笑われるだろう。
ちなみにこのカンジキは二風谷のもの。アイヌの道具にも地域差がある。
アシリパさんの村は小樽近辺。
千葉大でアイヌ文化を研究している中川教授いわく、このあたりにアイヌがいたのは分かってますが
どんな生活をしていたのか資料がほぼ残されていないのだそうで、
逆を言うならアシリパさんのアイヌ知識は、なんでもありってことだ。
地域差を気にせずに、いろんなアイヌネタを出せるんですね。我ながら鉄壁のキャラ設定です。
やや気温が上がり堅雪になるのは2月後半くらい。
なので第一巻ではそのあたりといったところか。
凍裂現象も2月なら起こる。
北海道民に2月4日は暦の上では春ですと言ったら鼻で笑われるだろう。
ちなみにこのカンジキは二風谷のもの。アイヌの道具にも地域差がある。
アシリパさんの村は小樽近辺。
千葉大でアイヌ文化を研究している中川教授いわく、このあたりにアイヌがいたのは分かってますが
どんな生活をしていたのか資料がほぼ残されていないのだそうで、
逆を言うならアシリパさんのアイヌ知識は、なんでもありってことだ。
地域差を気にせずに、いろんなアイヌネタを出せるんですね。我ながら鉄壁のキャラ設定です。
第二巻以降コタン滞在で、ある程度時間が経過してます。要所要所で時間は確実に経過してます。
第三巻ではカエデの樹液がしみ出て、つららが出来るのをアシリパさんたちが食べる。サルナシの水を飲む。
堅雪用のカンジキも履いている。
その描写から、3月のどこかです。
第二巻のどこかで3月にはとっくに入ってるつもりで読んでください。
川でカジカをとったあたりも3月くらいにしときましょっか?
アシリパさんは「冬のカジカ」と言ってましたけど、
3月を春と言う道産子は、多くないと思う。
アイヌにとっては雪が消えかけてようやく冬の終わりと言うそうですし。
え?カジカの場面もサルナシの場面も3月に見えない??
じゃあ、ここで問題。さてこの画像は何月でしょうか?北海道占冠村在住のカメラマン・門間敬行さんから頂いた資料です。
第三巻ではカエデの樹液がしみ出て、つららが出来るのをアシリパさんたちが食べる。サルナシの水を飲む。
堅雪用のカンジキも履いている。
その描写から、3月のどこかです。
第二巻のどこかで3月にはとっくに入ってるつもりで読んでください。
川でカジカをとったあたりも3月くらいにしときましょっか?
アシリパさんは「冬のカジカ」と言ってましたけど、
3月を春と言う道産子は、多くないと思う。
アイヌにとっては雪が消えかけてようやく冬の終わりと言うそうですし。
え?カジカの場面もサルナシの場面も3月に見えない??
じゃあ、ここで問題。さてこの画像は何月でしょうか?北海道占冠村在住のカメラマン・門間敬行さんから頂いた資料です。
正解は 撮影日時4月16日です。
まあ場所によってぜんぜん融け具合も違うんですけどね。
札幌でも4月上旬なら雪が降るのは珍しくありません。
関東では入学式は桜のイメージが有りますが、道民には無いでしょう。
札幌近辺に住んでいた自分が「春だな・・・・」と実感してたのは雪が無くなり、桜の咲く5月くらいでしょうか。
春夏秋冬を言い分けるのは結局のところ、暦(こよみ)ではなくその土地に住んでる人間の主観です。
暦(こよみ)を明らかにしなかったのは
漫画の内容や絵だけで杉元たちが感じてる季節を読み取れるようにするほうがいいかなと思ったからです。
かつてのアイヌが自然の変化の中から時の流れを感じてきたように。
上手く描けてるかどうかは別として。
以上、北海道に20数年 生まれ育ったゴールデンカムイ作者の季節感に関するお話でした。
さて・・・・
朝、北海道へ到着すると、そのまま山へ。
「ヒゲジイ」は60代後半のベテラン猟師である。
樺太アイヌの家系で
ロシア人に間違われるほどクドイ顔をしているけど日本語しか話せない。
顔を見た瞬間、映画の「スナッチ」や「ミッドナイトラン」に出てくる
俳優のデニス・ファリーナにそっくりだなと、思った。
ヒゲジイには事前にゴールデンカ ムイを読んで頂いていた。
「話は文句なく面白いが狩猟描写が少ない」とおっしゃっていたと伝え聞いていたので、
ご本人に
「どんな描写を入れるべき だったのか、今後のために、是非ダメ出しが欲しい
自分は全然傷つきませんから教えて下さい。」と言った。
しかしヒゲジイは決してその場では言わず、
こちらが食い下がっても「思い出したら話す」と、はぐらかされた。
奥ゆか しい方だなと思った。
自分でも描写が足りないのはわかっていた。
テンポが大事な週刊連載にどこまで狩猟描写を盛り込むべきなのか。
じっくりやり過ぎても良くない。でも猟師が読んでも満足するような
キモとなる描写が一コマでもあればいい。
「話は文句なく面白いが狩猟描写が少ない」とおっしゃっていたと伝え聞いていたので、
ご本人に
「どんな描写を入れるべき だったのか、今後のために、是非ダメ出しが欲しい
自分は全然傷つきませんから教えて下さい。」と言った。
しかしヒゲジイは決してその場では言わず、
こちらが食い下がっても「思い出したら話す」と、はぐらかされた。
奥ゆか しい方だなと思った。
自分でも描写が足りないのはわかっていた。
テンポが大事な週刊連載にどこまで狩猟描写を盛り込むべきなのか。
じっくりやり過ぎても良くない。でも猟師が読んでも満足するような
キモとなる描写が一コマでもあればいい。
ヒゲジイは3日前から山に入っていた。
初日に一頭倒せたが、おとついと昨日とボウズで収穫なし。
山の様子が変だとおっしゃっていた。全然鹿がいないと。
期待しないでくれとのこと。
獲れれば幸運な話なので、やっぱり期待した。
鹿も撃たれたくないから、猟師が登れない山の高いところへ逃げているとのこと。
知床で出会った老猟師もエゾシカは獲れないと言っていた。
案の定、全く鹿が見つからない。あっという間に時間が過ぎていく。
朝が早過ぎても鹿は動かない。日が出て暖かくなり
日が沈むまでのわずかな時間しか倒せるチャンスはない。16時を過ぎれば日が落ちる。
16時半には真っ暗になる。
初日に一頭倒せたが、おとついと昨日とボウズで収穫なし。
山の様子が変だとおっしゃっていた。全然鹿がいないと。
期待しないでくれとのこと。
獲れれば幸運な話なので、やっぱり期待した。
鹿も撃たれたくないから、猟師が登れない山の高いところへ逃げているとのこと。
知床で出会った老猟師もエゾシカは獲れないと言っていた。
案の定、全く鹿が見つからない。あっという間に時間が過ぎていく。
朝が早過ぎても鹿は動かない。日が出て暖かくなり
日が沈むまでのわずかな時間しか倒せるチャンスはない。16時を過ぎれば日が落ちる。
16時半には真っ暗になる。
猟師があちこちにいて弾が飛んで来るから、あんまり離れてうろちょろするなと言われていた
そんな危険な山なのか。
ヒゲジイのプーマの帽子の黒豹が狙われないかヒヤヒヤする。
そんな危険な山なのか。
ヒゲジイのプーマの帽子の黒豹が狙われないかヒヤヒヤする。
自分は鹿の姿を見るどころか、小鳥すら見つけられない。
食べるものが全く無さそうな冬の森。この山に生き物がいるのか信じられなくなってきた。
しかし昼過ぎに鹿の残骸を発見。
猟師が残したものを狐が食い散らかしたのだろうとのこと。
狐の足跡はたくさんある。
たしかに生き物はいる。
狐の足跡はたくさんある。
たしかに生き物はいる。
ワシが飛んできた。
何度か、他の猟師さんたちが鹿の姿をみつけ、追いかけるのだが鹿が速すぎて逃げられる。
「とにかく速いんだ」とつぶやくヒゲジイ。
他の猟師が残した鹿の内臓の残骸も見つけた。
雪の地面に、ぽつんと真っ赤な内臓の塊だけが落ちているのは妙な光景だ。
昔、「山であった怖い話・まとめ」を読んでいて、
川岸に何かの内臓が山積みになっていて怖くて逃げたという話があったのだが、
それはたぶん猟師のしわざです。
何度か、他の猟師さんたちが鹿の姿をみつけ、追いかけるのだが鹿が速すぎて逃げられる。
「とにかく速いんだ」とつぶやくヒゲジイ。
他の猟師が残した鹿の内臓の残骸も見つけた。
雪の地面に、ぽつんと真っ赤な内臓の塊だけが落ちているのは妙な光景だ。
昔、「山であった怖い話・まとめ」を読んでいて、
川岸に何かの内臓が山積みになっていて怖くて逃げたという話があったのだが、
それはたぶん猟師のしわざです。
そんなこんなで、16時。
いよいよタイムリミット。
もう完全に諦めムードだった。
帰る道すがら鹿の姿を探している状態。
かなり落胆した。
ヒゲジイが「ついてない」と呟い た。
俺はついてないのか。
いよいよタイムリミット。
もう完全に諦めムードだった。
帰る道すがら鹿の姿を探している状態。
かなり落胆した。
ヒゲジイが「ついてない」と呟い た。
俺はついてないのか。
ぼーっと森を観ていると鹿のシルエットが自分の目に飛び込んできた。
60メートルくらいだろうか。
思わず「いた!」っと言う。
しかしヒゲジイは、すでに横で銃を構えていた。
大きな発砲音。
そしてついに・・・・・。
勃起!
鹿の姿が倒れると、自分は原始人のように叫んでいた。
なん万年も前の男たちも狩りでこうやって喜びの雄叫びを上げたのかなと。
60メートルくらいだろうか。
思わず「いた!」っと言う。
しかしヒゲジイは、すでに横で銃を構えていた。
大きな発砲音。
そしてついに・・・・・。
勃起!
鹿の姿が倒れると、自分は原始人のように叫んでいた。
なん万年も前の男たちも狩りでこうやって喜びの雄叫びを上げたのかなと。
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ヒゲジイ 「小さいのはいつもは撃たねえんだけどな」
ボウズが続いたせいもあるし、東京から来た自分のためにも撃ってくれたんだと思う。感謝します。鹿にも。
ヒゲジイ 「小さいのはいつもは撃たねえんだけどな」
ボウズが続いたせいもあるし、東京から来た自分のためにも撃ってくれたんだと思う。感謝します。鹿にも。
専用のナイフで毛皮を剥いでいくのだが、その早いこと。
手慣れたナイフ捌きで解体されていくので、写真を撮るのも忘れ、見入ってしまう。
手慣れたナイフ捌きで解体されていくので、写真を撮るのも忘れ、見入ってしまう。
あっという間に脱がされていく。
温かいうちのほうが脱がしやすいんだとか。冷めると皮下脂肪が固まるからなのかも。
ヒゲジイいわく、ネイティブアメリカンのあいだで毛皮を剥ぐ行為を
女性の下着に例えられる。
その心は・・・・
「冷めると脱がしづらくなる」
HA!HA!HA!
温かいうちのほうが脱がしやすいんだとか。冷めると皮下脂肪が固まるからなのかも。
ヒゲジイいわく、ネイティブアメリカンのあいだで毛皮を剥ぐ行為を
女性の下着に例えられる。
その心は・・・・
「冷めると脱がしづらくなる」
HA!HA!HA!
解体する部位によってナイフを使い分ける。
丁寧に説明してくれるデニス。 いや、ヒゲジイ
丁寧に説明してくれるデニス。 いや、ヒゲジイ
湯気が出るほど暖かい。
「鹿は死んでサトルを暖めた」
「鹿の体温がサトルに移りサトルを生かす」
と、ヒゲジイが言ったとか、言わなかったとか・・・。
「鹿は死んでサトルを暖めた」
「鹿の体温がサトルに移りサトルを生かす」
と、ヒゲジイが言ったとか、言わなかったとか・・・。
肝臓を取り出すヒゲジイ。
何気なくやっていた、この毛皮のたたみ方も、聞けばアイヌの猟師しかやらないものだそうです。
脳ミソが食べたい・・・・・・です。
というと他の猟師さんが取り出してくれた。ヒゲジイは流石に脳ミソは食べないと引いていた。
塩を忘れてめちゃくちゃ後悔した。絶対うまいはずだと思った。
というと他の猟師さんが取り出してくれた。ヒゲジイは流石に脳ミソは食べないと引いていた。
塩を忘れてめちゃくちゃ後悔した。絶対うまいはずだと思った。
一応言っておく
「野生動物の肝臓や脳ミソの生食はいけません」
残りの内臓は置いていく。
ヒゲジイ 「残していく猟師を悪く言う人もいるけど、一日やそこらでみんな鳥や狐たちが綺麗にしてくれる。」
「それにアイヌは獲物を全部持ち帰らず、少し山に残しておく考え方がある。」
「野生動物の肝臓や脳ミソの生食はいけません」
残りの内臓は置いていく。
ヒゲジイ 「残していく猟師を悪く言う人もいるけど、一日やそこらでみんな鳥や狐たちが綺麗にしてくれる。」
「それにアイヌは獲物を全部持ち帰らず、少し山に残しておく考え方がある。」

山を降りて最初に見つけた明かりがセイコーマート。文明社会に戻った気がした。
セイコーマートさんは早い段階でゴールデンカムイを推すと言って頂いたコンビニだ。さすがセイコーマートさんやで。
セイコーマートさんは早い段階でゴールデンカムイを推すと言って頂いたコンビニだ。さすがセイコーマートさんやで。
デニスは結局ゴールデンカムイに足りないものを言ってくれなかった。
でも鹿を倒し、解体する行為を通して充分教えてくれた。
漫画づくりに関して畑違いの人間が言葉でダメ出しするよりも、
実際に見て自分で感じたほうがいいということだったのだと思う。
ありがとう、デニス・ファリーナ。
しかし運が良かった。鹿はこんなにも出会うのが難しいのか。
翌日、木の写真が欲しくて
森をさまよっていた。 ひとりで。
しかし運が良かった。鹿はこんなにも出会うのが難しいのか。
翌日、木の写真が欲しくて
森をさまよっていた。 ひとりで。
いた!!